塩分で、血圧はあがらない!
塩分が、血圧上昇の原因ではない!
というお話を、前回いたしましたが、
世の中、すべて、減塩食品ばかりで、
私達の味覚も、塩辛いもののおいしさがわからなくなり、
甘いものだけがおいしい、という
おかしな味覚になってきているのではないでしょうか・・・
先だって買って食べた冷凍食品の焼き鳥ですが、
塩味のモモ肉の焼き鳥なのに、めちゃくちゃ、甘いのです。
裏の原材料の表示を見ると、
一番最初には、当然、鶏モモ肉、
そして、二番目には、はちみつ、とあったのです。
「塩は?」と探すと、かなり後のほうに出てきていました・・・
この袋の原材料名の写真を残してなかったので、
冷凍庫の中にあったシュウマイなのですが、
こちらも、「食塩」より「砂糖」のほうが先にきています。
この原材料名の表示は、量の多いものから順に書かれています。
だから、このシュウマイの味の主たるものは、
塩っ気の「しょうゆ」よりも、
「砂糖」の甘い味が、主体になっているのです。
「塩」は?と、探すと、
やっと、終わりのほうに・・・
「香辛料」と同じようなレベルで、やっと「食塩」登場・・・
こんなに、塩は目の敵にされて、減塩になっているのです・・・
ですが、
人の味覚は塩味で正常に保たれるのです。
塩味こそが、おいしいと感じる源泉なのです!
この世の食材のおいしさ、うまみは、塩味によって、引き出されているのです。
しかし、今は、減塩、減塩!
減塩しないと、体を悪くする、と、すり込まれて、
「塩分66%カット」というような商品が売れて、
梅干しも、なんと「塩分3%」「やさしく減塩」です。
おまけに、これ常温品です。
原材料:梅
漬け原料:還元水飴、りんご酢、しそ梅酢、食塩、
そして、酸味料、調味料(アミノ酸)、野菜色素、V,B1、香料
となっています。
梅干しなのに、食塩が、一番少ないのです・・・
水飴の中の梅干しなのです。
常温で腐りませんけれど・・・
梅干しは、20%の塩分で漬けないと、カビが生えたりして、腐ります。
私は、毎年、20%の塩で、南高梅を漬けて、食べていますが、
夫は、お弁当にこれがいい、というので、生協で買っています( TДT)
今の「梅干し」の味は、塩っ辛いではなくて、
あまくておいしい、に、なっているのだと思います。
ですけれど、
「人は塩がないと生きていけない」のです!
塩の働きを見て見ましょう・・・
【細胞を正常に保つ】
塩は、私達の身体の中の血液・消化液・リンパ液などの体液に、イオンの状態で溶けています。
そして、細胞の内と外との体液の圧力(浸透圧)を調整し、
バランスを一定に保つ働きをしています。
実はこのバランスが、食べ物から栄養素を吸収するためにとても重要なのです。
どちらに傾いても、栄養を体内に取り込めなくなってしまいます。
塩をしっかり取らないと、
循環不全、血圧低下、脱水症状、ショック症状や
立ちくらみ、むくみ
などにつながります。
また、新陳代謝も衰えるので、お肌にも良くありません。
【神経や筋肉の働きの調整】
私たちが身体を動かす時、脳からの命令が電気信号として、神経細胞を伝わっていきます。
この電気信号を伝える働きをするのが、
塩の成分であるナトリウムイオンです。
塩が不足すると、この伝達がうまくいかなくなるので、体調不良などを引き起こします。
夏の暑い日に激しい運動をすると足がつったりしますが、
これも汗をかいて身体のナトリウムイオンが極端に不足した結果です。
【食欲や味覚の正常化】
塩味は食欲を増進させます。
また塩味の刺激によって、
おいしさを感じる正常な味覚が保たれています。
あまりに塩気のない食事を続けると、
ナトリウムや塩素の不足によって引き起こされる実際の問題に加えて、
味覚も鈍くなるため食欲も落ちてしまいます。
すると、体力が衰えて、さらに食欲が落ち・・・と悪循環に陥ります。
その他にも、塩は、身体が酸性になるのを防いだり、
消化と吸収を助けるなど様々な働きをしています。
塩はさながら、健康のマルチプレイヤーなのです。
というだけでなく、
人間の血液の塩分濃度は0.9%を保つ必要があるのです。
それだけの塩分が身体に足りなくなると、
腎臓は、尿として、塩分を排出しないで、
できるだけ、再吸収して、血液の塩分濃度を保とうとします。
それでも足りなくなると、
塩分は骨にも含まれているので、
骨の塩分を溶解して、血液中の塩分を補ったりするのです・・・
・・・骨がスカスカになる原因のひとつですね・・・
( ;゚Д゚)怖ァ
これだけ、大切な「塩」なのですが、
ここまで見てきたように、
今の減塩食品が氾濫している現状では、
毎日の食事で、自分から積極的に食塩を取ろうとしない限り、
必要な塩分摂取から、遠ざけられた食生活になっています・・・
困ったもんだ ( ̄~ ̄)ξ.
ところで、
人が一日に必要とする水の量は、
60キロの成人で、2リットルだと言われていますね。
そのうち、尿で排泄する分は、1.5リットル、
その他、汗や不感蒸発で抜けていくので、やはり2リットルは必要みたいです。
では、その尿の組成成分を調べてみますと、
尿の主成分は水であり、通常は尿の95%を占める。
したがって、尿100ml中の固形物は平均5gであり、
そのうち、もっとも多いのは尿素(約2g)である。
尿素はタンパク質に由来し、食事として摂取したタンパク質、
および身体を構成しているタンパク質が分解されて排泄される。
つまり、尿素の排泄量はタンパク質の摂取量に大きく左右されるわけである。
また、尿中には塩化ナトリウム(食塩)が
平均0.6g含まれるが、
これは食塩の摂取量に影響される。
そのほか尿中に含まれる物質のおもなものとしては、
硫酸イオン0.2g、リン酸イオン0.12g、
カリウム0.15g、クレアチニン0.1gのほか、
尿酸、アンモニア、カルシウムなどがあげられる。
・・・尿の中に含まれる塩分量は、100ml中0.6g・・・
・・・ということは、
一日に1500mlの尿を排泄するために必要な塩分量は、
0.6g×1500÷100=9gとなります。
Σ(oдΟ;)ええッ!!!
これって、尿の分だけですよね!?
その他に、汗を出すための塩分量もありますよね?
ということは、最低でも、
一日に10g以上の塩分が絶対に必要という計算ですよね?
で、今、減塩、減塩と言われて、
一日の塩分量は、6g~8gにしなさい、と言われていますけど、
この量では、尿の排泄ですら、全く足りていません。
それなのに、塩分が多いと、むくみの原因だ、と、言って、
減塩を推奨しています。
むくみ、って、腎臓がうまく働かず、
体の余分な水分を排泄できなくなっているから起きる病気ですよね?
体の水分は、尿や汗として排泄しないといけないのですが、
この、尿として、汗として排泄するためには、塩が必要なのですが、
みなさん、塩を毎日、10グラム以上、取っていますか?
いえ、10gでは足りません・・・
一日に必要なお水の量を2Lとすると、
血液は、0.9%の塩分濃度を保たないといけないのですから、
2000ml×0.9%=18g
最低でも、一日18gのお塩が要ります
手のひらに載せると、こんもりとするくらいの量が、塩18gです。
ですけれど、
塩を「食塩」、「精製塩」ではなく、
「ぬちまーす」や「雪塩」といった
いわゆる「天然塩」の海塩でとっておられる方は、
塩分の量が少なくなりますから、
その分、多く取らないと、
血液の塩分量と同じにはならないので、要注意です。
たとえば、塩分が73%のぬちまーすですと、
塩分濃度0.9%にするためには、約25gいることになります。
「塩分量が足りていない」という状態は、
腎臓はナトリウムの再吸収に追われて、疲弊しますし、
尿もしっかりと出せないので、
その分、体に老廃物がたまって、腎臓結石の原因にもなります。