クエン酸と重曹を一緒にして飲むと、
体がアルカリ性になって、酸性に傾いていた体の癌が治る、という根拠は、これ?
重曹を重曹だけで飲むと、
胃酸と反応して、二酸化炭素が発生することで、
胃もたれや胸焼けに効果があり、
また、胃の中で、塩化ナトリウムになることで、
胃酸過多が、塩の中性で、緩和される、といった
胃薬としての効果が期待できる良い面がありました。
ただし、これも、医薬品の重曹でのお話です!
また、一方、クエン酸は、
簡単に言うと、
私達の体の中には、
クエン酸回路というエネルギーを生み出すシステムが、
ミトコンドリアの中にあり、
このクエン酸回路にクエン酸がはいってくれば、エネルギーは生成しやすくなる。
〉〉〉私たちの細胞にはクエン酸回路と言われる、エネルギーを生み出すシステムがあります。クエン酸の摂取によりこのシステムの活性化が期待されています。
クエン酸回路
クエン酸回路は、左下の黒円のところです。
そこを、詳しく図解すると、
このクエン酸のところに、
飲んだクエン酸がはいってきて、
最初の、アセチルCoA→クエン酸 の反応の部分が省略される?
ということのようなのですが、
( ー̀ωー́ ).。oஇ ウーン
そんなに簡単に、
人の細胞の中にあるミトコンドリアに、飲んだクエン酸がはいっていくのか?
という疑問が残るのです。
クエン酸は、膵臓の膵液にある炭酸水素ナトリウムで、
胃液の酸性を中和するように、クエン酸の酸性も中和します。
膵液とは
膵臓で生産され,十二指腸に分泌される消化液。
炭酸水素ナトリウムを含んでアルカリ性(pH8程度)を示し,
胃液の酸性を中和する。
消化酵素としてはトリプシン,キモトリプシン,アミラーゼ,リパーゼなどを含む。膵液の分泌は迷走神経,セクレチンなどによって制御される。
・・・「中和する」=中性(pH7.0)であって、
アルカリ性にするわけではないですよね?
・・・それでは、
「クエン酸は体の中でアルカリ性になる」という文言は、
どこから出てきたのでしょうか?
それを教えてくれたのが、
「クエン酸・アルカリ」で検索しているうちに出てきた、
次のページのものでした。
〉〉〉クエン酸塩(クエン酸Na・クエン酸K)ではなく、
クエン酸だけで尿をアルカリ化できますか?
回答
クエン酸を服用すると
体内で酸化されて二酸化炭素となり呼気中に排泄されてしまいますので、
クエン酸単独で尿アルカリ化は期待できません。
クエン酸塩(クエン酸K・クエン酸Na)として摂取した場合、
クエン酸回路で代謝され、
それぞれNaHCO3及びKHCO3となり、
体液中に重炭酸イオン(HCO3-)を保持する予備アルカリとして働くため、
尿中に十分量のHCO3-を供給することができ、
結果として尿アルカリ化効果を発揮すると考えられます。
動物実験データでは、クエン酸K、クエン酸Na、クエン酸 の各成分2g/kgをラットに投与し、
尿pHへの影響を確認したところ、
対照群の尿pH=5.51±0.07に対し、クエン酸K (尿pH=7.75±0.09)、クエン酸Na (尿pH=8.07±0.05)では尿pHの上昇が確認されましたが、
クエン酸(尿pH=5.20±0.07)では認められませんでした。
ここで、やっと、いろんな疑問が解けてきました!
まず、
「体がアルカリ性になって、癌を治す」という、
その「体のアルカリ性」とは、どこから出てきたのか、というと、
この「尿のアルカリ化」、
つまり、排泄された尿のpHを計ってみたら、アルカリ化していた!
このことから来ていたのではないでしょうか?
なにせ、血液、体液は、7.4±0.5です。
それで、胃は、胃酸で強酸性!
〉〉〉体の主な部位のpHは以下のとおりです。
◎酸性(pH7以下):
胃液(1~3)、膣(3.8~4.5)、皮脂膜(4.5~6)、母乳(6.6~6.8)
◎アルカリ性(pH7以上):
血液&体液(7.3~7.4)、羊水(8~9)、涙&唾液(7.2~7.8)、
汗(7.0~8.0) cf:海(8.0~8.5)
・・・というように、
体の各部位において、pHは違っていますが、
体の大半は体液に満たされていますから、
人間の体のpHは、一応、弱アルカリ性。
だから、体は、アルカリ性がいい!
では、それが、酸性に傾く、というのは???
酸性に傾くというより、
体が酸化して、傷ついて老化する、ということはあります。
とにかく、アルカリ性に近い「アルカリ化」を見つけたので、
尿酸値、というのを調べてみました。
そうしたら・・・
尿のpHの基準値
4.8~7.0(平均6.0)
〉〉〉尿のpH(酸性尿かアルカリ尿か?)を調べることで、
生体の酸塩基平衡の状態をおおまかに調べることができます。
ちなみに、健常者の尿はほとんどが酸性になります。
「(゚ペ)ありゃ?
健常者の尿はほとんどが酸性!
平均pH6.0
ということは、酸性ですよね?
病気としての尿は、
①アルカリ尿
尿路乾癬 尿路結石症の一部、腎不全、代謝性・呼吸性アルカローシス
②酸性尿
糖尿病、痛風(尿酸代謝異常) 脱水症、尿路結石、アルコール中毒、
代謝性・呼吸性アシドーシス
・・・この酸性尿の改善に、「ウラリット」というお薬が使われています。
・・・尿のpHは、6.2~6.8ですので、
酸性であって、アルカリ性にはありません。
が、酸性に傾いた尿のpHをアルカリ性の方向にもっていく、
ということで、アルカリ化、なのですね!
健常者の尿のpHの平均が、6.0で酸性。
ですが、
ここで、なぜ、重曹とクエン酸を混ぜて飲むのが良いと言われているのか、
の意味がやっと解明するわけです。
それが「ウラリット」がクエン酸塩だから、というわけです。
〉〉〉クエン酸単独で尿アルカリ化は期待できません。
クエン酸塩(クエン酸K・クエン酸Na)として摂取した場合、
クエン酸回路で代謝され、
結果として尿アルカリ化効果を発揮する〈〈〈
つまり、
クエン酸と重曹を混ぜて飲む理由は、
クエン酸と重曹を混ぜると、クエン酸塩
(尿をアルカリ化できる薬に近く)なる!
クエン酸+炭酸水素ナトリウム ⇒ クエン酸ナトリウム+水+CO2
このクエン酸塩になった水溶液を摂取すれば、それが
クエン酸回路に入り、結果、尿はアルカリ化する。
・・・ので、体は、きっと「アルカリ性」になる・・・
多分、こういうことで、
「重曹クエン酸水」を飲むと、体に良い!
となったのかなあ?と。
(。´-ω・) ん~?
だけど、アルカリ化であって、
アルカリ性ではないんですよねー?
尿がアルカリ化すると、体が健康になる、というのは、
おかしい・・・か
酸性尿がアルカリ化すると、酸性尿が治る、というだけで、
尿がアルカリ化すれば、癌が治る、
というエビデンス(証明・証拠)はないし・・・
(*'ω'*)......やっぱり違うかな?
やっぱり、
重曹にクエン酸を混ぜて飲むと、
酸性に傾いて、万病を発している体がアルカリ性になって、癌が治る、
という話の理論がまったく、わからなかったので、
この3回のブログの記事になったのですが、
どちらにしても、
「重曹クエン酸水」の飲用をおすすめしているわけではありませんので、
どうぞ、よろしくお願いいたします。
みなさんはどうお考えでしょうか?
コメントいただけるとうれしいです。
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